【琉球いろは歌】ろ(ル):
櫓楫定めてど
櫓楫定めてど 船も走らしゆる
寸法はじらすな 肝の手縄
櫓と舵を操って船を走らせるように、心の手綱の按配を外してはならない。
奄美大島の民謡に同様の歌があるため[1]、それを引用したと思われます。
言葉
- 走ラスル:走らせている[使役・連体形:ha(si)=in, =ran >ha(si)=ra-s(h)un >ha(si)ras(h)uru].係助詞ドゥによって、連体形で結ばれている。沖縄語では本来ハラシュルまたはハラスルとなるが、字足らずによる整調のためか奄美方言の影響[2]で、シの音が挿入されている。ハインは動物や船などに用い、人が走る場合はハーエースン。
- 寸法:ここでは〈段取り・計画〉の意。
- ハジラスナ:外すな[使役・禁止:hazi=in, =ran >hazi=ra-sun >hajirasuna].ただし、ハジーンはふつう〈脱ぐ〉の意味で、〈外す〉はハンスン(han=sun)。
- 手縄:手綱.ティズィナとも言う。
- 寸法〜手縄:闇雲にならずに、心向けを定めて物事に取り組みなさい、ということ。
宮良