【琉球いろは歌】ほ(フ):
蛍火の影に
蛍火の影に 墨習てでんす
油断さぬ者ど 沙汰や残る
蛍の光を頼って学ぶことさえ怠らない者こそ、名声を残す。
言葉
- 蛍火:蛍の光.口語では、蛍をジーナーと呼ぶ。
- 影:古日本語同様に光による像全般を表し、「月影」のように光が当たる部分も指す。
- 墨習ティ:学問に励んで◁墨〈学問〉+習イン[接続(ティ)形:nara=in, =an, =tan > narati].
- デンスィ:すら・さえ.文語的な限定の助詞で、名詞や動詞の連用・接続形に付く。
- 油断サン:怠慢しない.勤勉の意。
- 沙汰:噂・評判.
- 残ル:◁残イン[連体形:nuku=in/yun >nuku=(i)ru].係助詞ドゥを受けて連体形になるが、「残イル」や「残ユル」とは言わない。
宮良